校長先生から

 

ノーベル賞からオリンピックまでを視野に入れた教育

− 未来のトレンドに颯爽(さっそう)と乗って W −

 3月11日に発生した東日本大震災で亡くなられた方々に深く哀悼の意を表するとともに,被災されました多くの方々に心よりお見舞い申し上げます。

 今,日本はこれまでに経験したことのない危機の中にあります。その規模があまりに大きいので,自分が危機の中にいることに気がつかない人も多いみたいです。  冷静に考えれば分かることですが,いろいろなところで,これまで通りの正常なことと,これまでとは違う異常なことが混ざり合って世の中(日本や世界)が動いています。  生徒諸君は,だれも経験したことのない日本の未曾有の危機から逃れることなく,自分に何ができるかをよく考え,どんな小さなことでもいいですから,今の日本に役立つと思うことをひとつひとつ,こつこつとやり続けてください。

 茨城県立並木中等教育学校(2008年開校)ならびに並木高等学校(1984年開校),(以下,並木と書きます。)では,科学教育,国際理解教育を柱にした,ノーベル賞からオリンピックまでを視野に入れた人間教育を行っています。

 求める生徒像は次のとおりです。

  @ 高い志とそれを実現しようとする強い意志(will)を持つ生徒

  A その意志を持続させるために必要な知性・知恵(wisdom)を持つ生徒

  B 真理・真実に対して素直に感動や驚き(wonder)をもてる生徒

 2011年度,並木は中等(1〜4年,中等4年生は進学型普通科単位制)生557名,高校(全日制普通科2,3年)生363名,あわせて920名でスタートしました。中等1,2年生の定員は4クラス160人,中等3,4年生は3クラス120人,高校2年生は4クラス160人,高校3年生は5クラス,200人です。

 学校とは本来,人間関係を学ぶところです。そこに学ぶ生徒には,内面的に成熟したものを持つことが要求されます。何かを知りたいという情熱を持っている生徒でなければ,教育の成果は期待できません。  また,学校教育は,一人の人間が成長していく過程で1回限りのものですので,教育環境を充実させることはたいへん大事です。

 先生方は,生徒諸君の期待と信頼に応えるため,これまで以上に質の高い,行き届いた教育に取り組んでいきたいと考えています。

   並木は,首都圏の一部として発展めざましい「つくば」にあります。  「つくば」とともに,「つくば」が持っているミッション,具体的には人類の未来をバラ色に輝かせるという使命を共有しています。
 分かりやすい言葉で言うと,それは科学の枠組み,いわゆるパラダイムの転換であり,イノベーションと呼ばれる技術革新,異文化との交流や国際理解でもあり,他人の心を思いやる人と人との関係性の改善,いろいろな思いとさまざまな文化がぶつかり合う地球環境問題への対応や,有史以来人類が持ち続けてきた,はるかな宇宙へのあこがれや夢の実現のことです。

 さて,学校が並木の生徒求めることが2つあります。

  1つは、ノーベル賞やオリンピックを目指す強い意志であり

  2つ目は、日本や世界のために役に立つことをしようとする強い使命感です。

 私たちは,今回の大震災でも浮き彫りになった原子のエネルギーを利用する方法などの様に,大きくなりすぎてコントロールすることが大変難しくなってしまった科学技術にさせられて毎日を過ごしています。  哲学者の森有正(あまり有名ではないけれど偉い人です。)が,遙かなるノートルダムで書いているように,人類はあまりにも大きくなり過ぎてうまくコントロールできなくなってしまった現代文明の秩序をもう一度取り戻さなければなりません。  そのためには,単なる知識だけではなく,知識を操作する熱い情熱と勇気が必要です。

並木の生徒には,何ものをも恐れない勇気を持つことと,地球や宇宙の未来を守る使命も託されていることを忘れないでください。

 校長先生は,並木の生徒が学校生活の中で,自分を磨くとともに,人間として恥じることのない知識の操作法を身につけ,近い将来,「つくば」あるいは日本,そして世界のリーダーになることを期待しています。  また,「つくば」で,勉強や部活動に全力を尽くし,かけがえのない友情,素晴らしい先生との出会いやほろ苦い(実った人もいるみたいだけど,実る確率が極めて低い???)ロマンスなどを味わうことも願っています。

PS−01:並木のことをもう少し知りたい人のために
 多様化・多極化が急激に進む国際世界の中で,諸君が将来いかなる変化の激しい時代に遭遇しても,環境の変化に適切に対応し,信念を持って行動できる,より確かな学力を培うことが,並木の責務であると考えています。

 ● 並木では,次世代を担う若者に強く求められている人間としての総合力,いわゆる「人間力」の育成に軸足を置いた教育を行います。
 ● 本校は,「自制」「自律」「自尊」を教育理念として,地域や日本・世界の発展を担う人材の育成を目指します。
 ● 生徒諸君一人一人が,それぞれに違う夢を実現するため,新しい世界に力強い第一歩を踏み出し,刻々と変わる国際政治や急激な世界経済の変化など,学校を取り巻く社会の変化にも目を向け,何事にも真摯な態度で取り組み,有意義な学校生活を送れるよう校長として最善を尽くします。

PS−02:未来のトレンドってなに?

 私たちは,自分の体を自分のものだと思っています。しかし,それは生きている間地 球から借りているものです。私たちは,地球から材料を借りて体のいろいろな臓器をつ くりその機能を使って生きています。大切なのは,体ではなく体の機能です。私たちは,さまざまなシステムの中で,システムの機能を利用する時代に生きているのです。これ が未来のトレンドです。
並木は,過去のトレンドを払拭(ふっしょく:意味は自分で調べてね)し,未来のトレンドに颯爽と乗った学校です。生徒と先生方が学校をとりまくいろいろな呪縛(じゅばく:やっぱり意味は自分で調べてね)とたたかい続ける学校です。
 校長先生は,未来のトレンドに敏感に反応し,時代が醸(かも)し出す機能を上手に 利用する技術を身につけるためには,哲学者の森有正が書いているように,人間として 恥ずかしくない知識を操作する精神を身につけることが必要なのだと考えています。


       2011年(平成23年)4月6日

茨城県立並木中等教育学校ならびに並木高等学校長 井坂 隆